事業承継その2 親族内承継におけるギャップ分析

事業承継において経営者の子らの親族内承継を行う場合には以下のような問題が生じてきます。

まず現経営者と後継者との間には親子関係から生ずる気恥ずかしさが邪魔をするケースが多々あります。そのため現経営者の考えと後継者の考えのすり合わせがうまくいかないことが発生してしまうケースが見受けられます。

このような場合には、第三者たる専門家が間に入りファシリテーターとなることが必要です。現経営者と後継者の対話を促進させることの役割も担っているといえましょう。

そこで、後継者と現経営者の抱く事業の将来像を把握するのですが、この際には事業価値源泉の分析結果を基にします。また、現在の会社の状況(事業価値源泉の分析結果を基に把握)と会社のビジョンのすり合わせを行い、現状のギャップを把握します。そのことで、現時点での課題が見つけられることとなるのです。

ここまでで、総体としてのやるべきことを明確化することができます。この後には、個別的に「経営理念の承継」「後継者の経営能力の向上」「社内外の関係者への関係構築」「社内体制の整備」を行い、相続とも関係してきますが、「経営支配権の承継」「事業用資産の承継」となってきます。

木村太哉